3秒小説
さんびゃくにじゅう


夕方、息子が小さな箱を持って帰ってきた。


箱の中には、女の顔を持つ大きなコオロギのようなものが一匹、みっちりとつまっていた。


「これ飼うから。絶対に飼うから」


顔を赤らめながら、息子は強く言った。



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