3秒小説
さんびゃくななじゅうきゅう


兄の部屋に、大きな木箱がひとつあった。


夜中、兄は時々、木箱の蓋を開けて、笑みを浮かべながら、中にむかって話しかける。


「痛いか?・・・・・・どうだ痛いか?」


箱の中から、何かの潰れるような音がする。


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