ずっと大好き…この恋は永遠…

不安の欠片




翌日のお昼休み、みのりのケータイが震えた。


11時50分。

ちょうどお昼を食べ終わったところだった。


知らないケータイ番号に、みのりが首を傾げて…

でも長い着信に、通話ボタンを押した。


『あ、佐倉先輩ですか?』


「…そうですけど」


聞こえてきた元気のいい女の子の声に、みのりが少し驚きながら返事をする。


声に聞き覚えはなかった。


だけど、自分の名前を知っている事から間違い電話ではなさそうだ。


『あの、あたし南商の3年の塚越っていいます。

今年南丘銀行を受ける事になったので、ちょっと相談に乗って欲しくて…』


塚越の言葉に、みのりが浅井の言っていた事を思い出す。


今年も南商に求人がいった事を…


「あ、うん。

でもどうしてケータイの番号…」


『あの、永井先生が相談してみろって教えてくれたんです』


永井というのは、みのりが3年だった時の学年主任。


自分の担任するクラスにも、南丘銀行を志望するみのりと同じくらいの成績の生徒がいたのに、ひいきせずにみのりを選んだ先生。


野球部の副顧問でこの時期はいつも真っ黒に日焼けしていた事を思い出す。



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