ずっと大好き…この恋は永遠…

仕事の事情




「…で?

話の続きは?」


ベッドの脇に置いてある黄色と青の2色を作るランプが部屋を照らす。


以前まで使っていたオレンジ色のランプが壊れたため2人で選んだ新しいランプは、なんとも幻想的な雰囲気を作り出す。


「…あー…うん。

あのね、支店長がね…」


まだ余韻が残るのか、少し疲れた表情で話し出すみのりの髪を撫でながら、浅井が少し笑みを浮かべる。


みのりの勤める会社は地方銀行。


みのりの言う『支店長』は普通の会社で言う『部長』だ。


以前からみのりの話題に支店長の名前が出てくる事は多い。


「夏のボーナス時期だからって先月ノルマ作ったんだけどね?

内部職員…あ、外に営業に出ない職員の事なんだけど、内部職員はお客さんと接する事なんて窓口係じゃなければほとんどないからノルマなんかとれなくて…」


あまり説明上手じゃないみのりの言葉を浅井が頭の中でまとめる。


要領はいいくせに話をまとめるのが苦手なみのりを、浅井が微笑ましく見つめる。


同僚にされたらイライラしてしまうようなまとまりのない話でも、みのりだと可愛く感じてしまって…


自分の惚れ具合に少し呆れるほど。


「今日たまたま食堂で一緒になったら

『佐倉はまだ預金契約もローン契約も0件か…

高卒の割りには使えるって周りは褒めてたが…

ノルマ達成できないようじゃ一人前とは言えないな』って…」



そこまで言うとみのりが表情を曇らせたので、黙って聞いていた浅井が口を開いた。



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