星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY
6.再会とは気付かぬ偶然
何かを作ろうとする時、一番自分らしさが出せる。
新しいCD制作の準備が進み、大輔は忙しいながらも充実した時間を過ごしていた。
今回のシングルCDのジャケットは、イラストものにしたいと思っていた大輔に、後輩から「頼むのにいい人がいる」と連絡が入り、彼が働く居酒屋へ大輔は向かった。
大輔がよく使っているライブハウス『メテオ』から150メートルほど右に行った場所で、大輔もよく利用している店だ。
火曜日の店内はそう騒がしくはなく、二、三人で飲んでいる人たちがほとんどだった。
「よう」
後輩の姿を見かけ、大輔は右手を上げた。