星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY


泉と親しいのは恭司の父親のほうだった。

二人は学生時代に一緒にバンドを組んでいたことがあり、仕事の面では今でも、泉のライブハウスによく機材を貸し出したりしている。


「えっと、親父じゃなくて、母さんだけに来て欲しいってこと、だよね?」


 恭司は確認するように言った。


「うん。おじさんが言っているんじゃなくてね、私がそうしてもらいたいの」


静からこんな風に何かを頼まれるなんて、今までになかった恭司は、理由を訊いていいのか迷った。

でも、理由が分からないままでは母にどう伝えていいかも分からない。

恭司の複雑な表情を見て、静は苦笑いをした。


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