星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY

28.仕事よりも



金曜日の夕方はいつも学生たちが多く、店内に居る。

上野百合は店内を眺めながら、自分がこの場から居なくなったら、と想像してみた。

きっと何も変わらない。

違う誰かがここに立つだけの話だ。



百合がこのCDショップにアルバイトとして勤めだして、もうすぐ一年になろうとしていた。

この不景気の中でも、店長は勤続一年になったら、本社に正社員登録をしてもらえるよう、掛け合ってみると言ってくれていた。

恭司からも大輔からも「辞めてはいけない」と言われているが、四人でメテオをやっていくことに決まってからは、百合は落ち着いて仕事が出来ないのだ。


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