カラダ探し
「やっぱり、おかしいよね?」


「うん。何かが違う……」


留美子も理恵も、この微妙な違いに気づいている。


気づかないのは……高広くらいだ。


「あ? 何が違うんだ? おぉ、そういや今日は健司の野郎が来てねぇな。サボりか?」


高広が言った、「健司」という言葉に、ビクッと反応する理恵。


もう……理恵にとって、健司は恐怖の対象でしかないのかもしれない。


「そうだ! その事も言っておかなきゃ! でも、翔太はどうすっかなぁ? なんか、あれから嫌なんだよね。あいつ……」


顔をしかめて、ポリポリと頭をかく留美子。


その気持ちはわからなくもないけれど。


「でも、放送室の話もあるからさ、皆に話すべきだよ。知らずに開けようとして、『赤い人』を呼ばれたら、無駄死にじゃない?」


「んー……じゃあ、明日香が呼んで来てよ。あいつともめてないの明日香だけだし」


留美子のその言葉に、私はうなずいた。


まあ、もめてないわけでもないんだけど、皆と比べればまだマシかな?


翔太がどう思ってるかはわからないけれど。
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