俺様男子とラブ同居
ドアを開けたのは、あの貴斗先輩だった。

もう一度涙を拭き、私は近づいてくる先輩に向き合った。




「どうしたんですか?偶然ですね…」

「いや…食堂から出てきたら、歩夢ちゃんが足ってくが見えたから。声かけたんだけど……」


え…声かけた?

全然気付かなかった(汗)




「ごめんなさい、私…」

「いいよいいよ」


先輩はそう言って優しく笑い、肩にかけているかばんに手を入れた。




「はい」

「え?」


先輩がかばんから出したのは、高そうなラッピングがされたおしゃれな箱だった。




「これ渡したかったんだ。今日はバレンタインだから」

「バレンタインってことは…これチョコ!?」

「そうだよ」


先輩からチョコを受け取る。




「え、でも…バレンタインは……」

「ハハ、そうだよ。普通バレンタインは、女が男にあげるよね」


先輩は軽く笑った。
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