車椅子から見える愛

「え?見学させてもらっただけですけど?若い介護士さんが間違えてとろろを食べさせてしまったみたいですね」


「うちはね!若い介護士にかりんちゃんの食事はさせませんよ!絶対にそんなことはしてませんから!」


「は?私は他の介護士さんから聞いたんですけど?」



「それとね、うちはとろろは食べさせます!お母さん、かりんちゃんみたいな子を預かるのはうちだけですよ!試しに他を探してみたらいいですよ!」



ガチャン!!



電話は切れたんだって。



母は施設にすっ飛んできたわ。私がまだ施設にいたからね。



もちろん謝る為ではないの。私を迎えにきたのよ。



かりんちゃんみたいな子?絶対に許せない!母は帰ってからも何度もそう言っていたわ。




「バカにしやがって!あのクソジジイ!」


どうしてみんな母を怒らすのだろうか……病気なのに……。


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