Blood Tear


 「でも、何故身を隠す必要が?」


この2人は自分の本性がバレないようローブを着ていると言うが、どうして身を隠さなくてはならないのだろうか。




 「何故って、俺達みたいに力を持ってる奴は、スウィール国みたいな発展してる国では毛嫌いされるんだ よ」


避けられ、無視され、一方的な暴力を受け、存在すら認められない自分達は大国に入るには身を隠すしか術がないと言う。



今までは小さな街ばかりだったからよかったが、今回はそうもいかない。



嫌な思いをする位なら、そんな国には行きたくないのが本音。


だが、ジークを主の元に返す為には仕方がない。




 「どんだけ幸せな所で暮らしてたんだよ……」


嫌々ながら国に入る事に同意したレオン。

疲れた顔をする彼はぼそりと呟いた。




一方では辛い思いをしながら生き、一方では何も知らず気楽に生きてきた。



何も知らなかったコウガは2人に比べれば幸せに生きてこられたのかもしれない。


でも…




 「ごめん……」


 「あ、いや、そういう意味じゃ………グフッ……!?」


疲れと苛立ちからか頭が回らなかった彼がこぼした言葉は友を傷つけた。


目を伏せ謝罪の言葉を漏らすコウガ。


彼の低い声にはっとしたレオンは慌てて否定しようとするが言葉が続かず、苦しそうに唸ると腹部を押さえうずくまる。



2人を見かねたクレアはレオンの鳩尾を膝で突き、フードから覗く赤い瞳で鋭く睨む。





先を急いでいたジークは3人を横目で見ながら静かに溜め息を吐くと立派に建てられたら橋の前に立ち3 人と向かい合った。




 「さぁ着きましたよ。此方が我が主シェイラお嬢様の母国、スウィール国で御座います」









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