Blood Tear
「只今戻りました、シェイラお嬢様」
懐かしく優しい香りに微かに頬を緩ませながら、直ぐに真面目な顔をし顔を上げた。
何時もなら満面の笑みで迎えてくれる彼女。
しかし彼女はベッドの隅で身を縮め、ぬいぐるみを抱 き顔を埋める…
そんな彼女の姿は子供のようで、様子が可笑しいのは直ぐにわかった。
「お嬢…様……?」
「……ジーク………」
彼女の姿に目を見開いたジークはゆっくりと歩み寄るが、その足は目の前に立ちはだかる鉄格子によって阻まれた。
いつの間に建てたのかシェノーラを閉じ込めるように建つ鉄格子。
目の前のそれを掴むが、掴んだ瞬間電流が走り手を放す。
ジークの姿に気づいた彼女は埋めていた顔を上げ、消え入りそうな声で彼の名を呼んだ。
青白い肌…
赤く腫れた瞳…
両足に巻かれる包帯…
ベッドの脚に繋がる鎖は左足首に施された足枷へと伸びる…
「何が……一体何が………」
「コウガさん達とは仲良くなれましたか?」
混乱するジークは何が起こっているのかわからずあたふたとする。
一方シェノーラは車椅子に腰掛け何時もの明るい口調で彼に話しかけた。
「貴方の性格上、悪態ばかりついてたのではないですか?」
「………」
クスリと笑う彼女。
しかし彼の耳に彼女の声は届いておらず、目の前の鉄格子を掴み力ずくで壊そうとする。
握った瞬間身体全体に電流が走る。
顔を歪め耐える彼だったが、耐えかねた彼は床に膝をついてしまう。
「打ち解けられるか心配だったのでーー」
「一体何があったのです!?お嬢様!?」
何もできない彼は乱暴に頭を掻き、無理に微笑む彼女に向かって大声をあげた。