Blood Tear


時刻は15時を回った頃、乱れた髪のままレオンが二階から降りてきた。




 「ハァ~……寝過ぎちまった……」


頭を掻きながら大欠伸をする彼は今まで寝ていたようで、食事を取っていない為腹が減ったと言う。



先程までコウガと話をていたフィーヤはレオンの食事の用意をしにコウガを残し席を立つとキッチンへと向かう。


色々と話を聞いたコウガは背もたれに寄りかかるとゆっくりと瞬きしながら静かに天井を見つめていた。




 「よく寝るのね」


 「寝溜めしておこうと思って」


椅子に座り伸びをするレオンは食事の用意をするフィーヤと他愛のない話をする。




 「…んん……」


 「あ、ジーク……」


酔いが醒めたのか身を起こしたジークは暫く呆然と前方を見詰めた後すくっと立ち上がる。


カウンターまで歩いて行った彼はレオンに出された水の入ったグラスを奪い一気に飲み干す。




 「なっ……おまっ………」


乾いた喉を潤した彼は空のグラスをガタリと音を立てて置く。


レオンは彼を怒鳴ろうとするが、何時もと違う雰囲気に言葉を止めた。




何時もなら馬鹿にするように笑う彼なのに、今回は顔色1つ変える事なく真剣な面持ちなのである。




違和感に首を傾げていると、彼は浮かない表情のまま無言で宿から出て行った。



何かあったのかとコウガに訊こうとしたのだが、考え事をしているのか眉間に皺を寄せている。




暫く黙って扉を見つめていたコウガは宿を出たジークの後を追うように宿から飛び出して行く。



何も言わず出て行った2人を不思議に思いながら、また面倒な事に巻き込まれるのではとレオンは1人溜め息をついた。











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