風に恋して:番外編
「あ、あのっ!こ、紅茶、淹れますね」

エレナは耳まで真っ赤にして、ポットに手を伸ばした。その手をイヴァンはしっかり掴む。

「イヴァンさん?」

イヴァンに視線を向けたエレナをそっと引き寄せて、額を合わせる。

「ごゆっくり、って言われたから」
「え、えぇ?」

エレナは慌てて身体を引こうとするが、イヴァンはその腰に手を回してしっかり抱きとめた。

「覚悟、できてるんだよね?俺、本当に……離せなくなると思うよ」
「は、はい……」

その返事を聞いて、イヴァンはエレナの唇を塞いだ。

「んっ」

苦しそうにイヴァンの肩にしがみついてきたエレナ。イヴァンは唇を少しだけ離した。

「エレナ、君のことが好きだ」

そう言うと、エレナはとても嬉しそうに笑った。

あぁ、やっぱり離せなくなりそうだと思いながら……イヴァンはまたキスをした。


I cannot let you go, so be ready for it… *END*
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