【完】まりあ ~人魚姫の涙~
「少しロケバスで休もう。…監督、いいですか?」
「片づけが結構かかるから、ごゆっくり」
ニッコリ笑う監督に、ペコリと私は頭を下げた。
ロケバスに向かって歩く裕也さんをジッと見ていたら、その視線に気づいたのだろう…。
裕也さんはニッコリと、私に微笑みかけてくれた。
「……っ」
その瞳があまりにも甘くて、幸せな気持ちになり鼻がツンとする。
私を優しく抱えながらバスの椅子へと座らせ、その隣に裕也さんが腰掛けた。
隣に裕也さんがいると言うだけで緊張した私は、身体が少し強張ってしまう。