【完】まりあ ~人魚姫の涙~


「少しロケバスで休もう。…監督、いいですか?」




「片づけが結構かかるから、ごゆっくり」




ニッコリ笑う監督に、ペコリと私は頭を下げた。




ロケバスに向かって歩く裕也さんをジッと見ていたら、その視線に気づいたのだろう…。




裕也さんはニッコリと、私に微笑みかけてくれた。




「……っ」




その瞳があまりにも甘くて、幸せな気持ちになり鼻がツンとする。




私を優しく抱えながらバスの椅子へと座らせ、その隣に裕也さんが腰掛けた。




隣に裕也さんがいると言うだけで緊張した私は、身体が少し強張ってしまう。


< 263 / 600 >

この作品をシェア

pagetop