【完】まりあ ~人魚姫の涙~
こんな歌声がこの地上に存在するのかと疑うほどで、俺の目からは涙が自然とこぼれ落ちてくる。
歌っている人魚があまりに神々しくて目を細め聞き入っていたら、兄さんが歌っている人魚の腰に腕を回すのが視界に入った。
瞬間、俺の中で嫉妬の炎が渦巻く---
その時の俺の形相は、きっと酷いもんだっただろう…。
それくらい兄さんを睨みつけていた。
兄さんとこの人魚の関係は一体?
この人魚は俺が先に見つけたんだ。
それなのに後から奪いやがって---
天使の歌声に包まれ気持ちよかった俺の心が、荒れ狂う。