ウソつき王子
ガラッ!!

音をたてて、私は図書室に入った。

「誰?」

神谷君が早口で言った。
でも私はその質問をスルーして話始めた。

「初めて話したのもここだったね。」

神谷君がハッと息を飲む音がした。
私はかまわず続けた。

「あの時は神谷君のこと嫌いだった。
草食系のフリして、女の子にモテモテで…
でも、神谷の君の優しさに触れるたび、どんどん好きになっちゃって…」

涙で視界がぼやける。

「でもっ、好きなの私だけだったらどうしようって、心配でっ…」

後ろから優しく私を抱きしめる。

「俺もずっと前から好きだったよ、あさみ。」

えっ…ウソ!?本当なの?夢じゃないよね!?

「神谷君…大好き。」
「おい、いつまで苗字呼びなんだよ!名前で呼べ!!」

耳元でそんなふうに言われたら、誰も逆らえないよ―

「愛してるよ、あさみ。」
「私も愛してます…爽君。」

そして笑い合い、深く甘いキスをかわす。

二人の間には幸せな時間が流れていた。

―Fin―
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