ウソつき王子

理想×彼女

次の日、私はいつもと同じように学校に行った。

まるで、何もなかったかのように。

自分で自分にウソをついていた。

でも、そのウソは一瞬でバレてしまった。

「おはよー、あさみ!」

か、神谷君!?

「お、おはようございます…」

「キャー、うそでしょ!?」
「もしかして彼女!?」

「そうだよ。」

「そんな~」
「ありえな~い」

そうです、みなさんありえないんです。

「あさみっ、行こ?」

爽やかすぎる神谷君の笑顔。
やっぱり、昨日の肉食神谷君は夢だったんじゃない?

手をつないで(つかまれて!?)、校舎に向かって歩き出す神谷君。

私が戸惑って前に進めないでいると、神谷君が戻ってきて…

また神谷君の顔が近づいてきてるぅぅ
でも、今日の唇は私の耳の近くに―

「おいお前、あからさま不自然なことすんな!」

小さな声で私を叱る。
耳に息がかかる。
背筋がゾーっとする。



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