何処かの少女の話。



ーー違うよ。


〈嘘だ。〉


ー違うって言ってんじゃん。


「いつまで私を…苦しめるの?」



〈いつまで?…ははっ、あなた、私を殺したの。分かる?〉


………


〈苦しめて、当然。〉



語尾にハートマークの付きそうなイントネーションで言われ、頭痛がひどくなる。


「もう…やめてよ。」


小さな声を振り絞って出しても、暗闇に飲み込まれるだけで。


当たり前だ、突き離してきたのだから。


先ほどの声が、自業自得、と言った気がした。



酷くなる一方の頭痛を横目に、一歩ずつ踏み出す。


ー進まなきゃ。少しでも。





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