だから、恋なんて。
ほんと、なんなの一体。
噂って……、あの噂ではなさそうで。
結城先生のものになったのか、とか言ってたから、きっとあの告白もどき事件が面白おかしく周りにまわっているだけだろうけど。
でも、それが青見先生に関係ある?
なんか、青見先生って結城先生と全く違うタイプなんだけど。
専門科だって違うし、スタッフや患者さんへの対応も全然違うけど。
なぜかお互い気にしてるっていうか……、ううん、青見先生が結城先生を気にしてるって感じがする。
そんなことを考えていたら、けたたましく二つのベッドからモニターアラームが鳴り、その後は座る暇もなく交替の時間を迎えた。
正直、ベテランって呼ばれてもいいくらいの年数仕事をしてきたけど、朝になってやってくる師長やスタッフの姿を認めると、心底ホッとする。
夜中忙しかろうが落ち着いていようが、安堵感が満ちてきて、最後の申し送りまでなんとか気力を振り絞れるというのに。