だから、恋なんて。

「ほんと、これは大変」

「取りあえず場所だけでも押さえます?」

「ん、オッケー。人数大丈夫か聞いてみる」

「やっぱり人気ありますもんね、結城先生とか」

鞄を持って休憩室を出ていく榊の言葉には返事を返せないまま、私も鞄を持つ。

そりゃあ、あれだけ色んな人に始終声をかけてたら人気もでるわよねぇ。

しかもフルネームで覚えて、仕事以外のこともベラベラ喋ったりして。

青見先生なんか必要以外の事はほとんど話さないからね。

…なんか、時々は変な空気を出してくることもあるけど。

夢でみたような妖しいというか、エロいというか………って、あれ?そういえば最近は。

青見先生の夢は見てない……?

というか、そもそも夢をみることが少なくなったというか。

ほとんどの夢って起きた瞬間には忘れちゃうものが多いって聞いたことあるけど、見てるのに覚えてないのかな。

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