ドライアイス
「うっ」

口元を抑えて、私に断ることなく走り出した由梨。

駆け寄ったのは水道。

ほんの少量しか口にしていない由梨が嘔吐した。

頬ばっていたパンを放置して、由梨の背中をさする。


「大丈夫?どうしたの?」


「ん。。。何でもない」


「最近痩せたように見えるけど」


「ダイエットだから。マジで気にしないで」


顔に浮かべた笑みが、力なく弱々しかった。

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