空色ホイッスル



私は、結局反対側のスタンドで同じ色のジャージを着てるところに混じって試合を見ることにした。



両チームは先生の前で集合していて、指示を受けたり、部員同士で気合を入れあってもう準備は万端そう。



その中で、無意識に私は



「あ……」



と小さく呟いて、彼を見つけてしまった。



先生の方を向いてるから顔は見えない。



だけど、この間スコアブックに何回かあの背番号を書いたから覚えてる。



あの8番は間違いなく一ノ瀬くんだ。



先生との最後の打ち合わせを終えて、顔は向こうのスタンド側だからよく見えないけど、



ジャンプをしたり、ストレッチをしながら他のレギュラーメンバーと一緒に試合を今か今かと待っている。



私もスコアブックに書ける部分は今のうちに書いておこう。



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