空色ホイッスル
私はすぐに手元に置いてあった対戦校のデータを記録したノートをパラパラとめくり
蒼井高校のページをめくった。
「……いちのせけいま」
初めて聞いたな。
この人、いったいどうしたのかな?
あ、みっけ!!一ノ瀬圭馬ってこうやって書くんだ。
圭馬ってかっこいい名前。
1年生の時はディフェンダーやってたんだ。
フォワードだったらゴールを決めた時に背番号と苗字をスコアに書くからすぐに分かるけど……だから聞き慣れてなかったのか。
「柚木先輩!一ノ瀬圭馬は1年生の時はディフェンダーでした!」
あたしは少し遠くにいる先輩に向かって大きな声でそう言った。