君の存在が笑顔になる
近付く君と
「桜香ー、行くよー」


「千太郎、待って。今行くからー」


我が家の朝は慌ただしい。


「ああ、もう、忙しい!」


「忙しそうなのは桜香だけだよ。もう少し落ち着けよ」


「そうだよ、姉ちゃん。落ち着けよ」


秋斗も家を出る時間が一緒なので、3人で並んで歩く。



「じゃあねー」


「おう!」


T字路で秋斗は右に行く。私と千太郎は左に行く。


朝は千太郎と学校まで行く。最初の頃は手を繋いだりすることもあったけど、今は全然繋がない。


「片野に見られて、桜香が振られたら大変だからな」


そんな理由で学校が近くなると私たちの距離は開く。

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