君の存在が笑顔になる
幼なじみ
私にとって、千太郎は幼なじみという存在。

誰かに友だちかと聞かれたら、友だちだとも答えることが出来る大事な幼なじみ。


それ以上の関係でもないし、それ以下の関係でもないとずっと思っていた。


「桜香、お友達出来た?」


「うん、出来たよ」


「今度うちに遊びに来てもらったら?」


「うん…、そうだね」


私は広島の小学校に入学した。

入学してから1ヶ月が経ち、お母さんが学校のお友達のことを聞いてきた。


友達は出来てない。出来ない。


でも、お母さんやお父さんに心配をかけたくないから、私は嘘をついた。

悲しい嘘だ。
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