君の存在が笑顔になる
同居生活
コンコン…


「千太郎、起きてる?」


千太郎の部屋をノックして、起きているか確認することから私たちの朝が始まる。


大体「うん、おはよう」とドアが開く。


だけど、返事がない時もたまにある。そういう時は耳をすませる。

物音ひとつさえも聞こえない時はそっとドアを開けて、隙間から覗き込む。


今日もそのパターンだった。


ベッドの布団がこんもりしているのが見える。


やっぱり…まだ寝ている。


一応目覚まし時計で起きるらしいけど、二度寝してしまったようだ。


「千太郎ー、入るよー」


返事をする気配がない。


「千太郎ー、朝だよー。起きてー」
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