君の存在が笑顔になる
大事なもの
「このクマ、クタクタだな。なんか薄汚れているしさー」

隣りの席に座る入江くんが言う。

千太郎からもらったクマのマスコットはスクールバッグにつけていた。

千太郎から初めてもらった誕生日プレゼント。その後、毎年プレゼントを贈ってくれたけど、このクマが一番の宝物だった。


「勝手に触らないでよ」


大事なクマを汚いと言いながらも触るなんて、酷い。


「だって、汚いじゃない?新しいのにしたら?」


「汚くない。たまに洗っているもの」


「へえー、わざわざ洗うんだ。そんなにも大事なんだ」


そう言って、バッグから外そうとする。
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