君の存在が笑顔になる
初カレ
東京の桜の季節は早い。

4月の入学式にはすっかり葉桜になっていた。


千太郎の両親はアメリカから来ることが出来ないから、お父さんが千太郎の保護者として付き添った。


「あーあ、クラス離れちゃったね」


千太郎とクラスメートという関係になってみたかった。

同じクラスで勉強をしてみたかった。


「来年は同じクラスになれるかもしれないよ」


千太郎に肩をポンポンと叩かれる。


「じゃあ、選択科目を同じにしてね」


「あ、そっか。そういうことになるよな。桜香は文系?理系?」


「あたしは文系だよ。千太郎は?」


「俺も文系かな」


千太郎は理系だと思っていたから意外だった。

でも、同じクラスになれる可能性があるのが嬉しい。
< 71 / 256 >

この作品をシェア

pagetop