山神様にお願い


 おかしくない、この店!?

 皆、適応能力異常じゃない!?

 復帰祝いだ、今日は閉めたままでお酒飲みましょう~!って皆で盛り上がっている。龍さんの奢りですよね、勿論。そう店長が言って、龍さんが、あ!?と返す。

「幸せなヤツが奢るのがこの世常識だろ!?俺は弁償ですっからかんだよ、払いは虎持ちにしろよー」

「いやいや、店の弁償は保険が降りたでしょうが」

「その他の賠償は俺持ちだもん。日々立オーナーが掻っ攫っていったぞ」

「そんなのはどっちでもいいです。で、龍さんが作るの?虎さん持ちならピザとか注文します?」

「あ、俺鉄板焼きがいいっす!」

 話はどんどん進んでいく。

 そして私がまだ一人で取り残されている内に龍さんの手料理で山神メンバーで宴会することが決定し、買出し組みと準備組に分かれることになったのだった。

 私は準備組で、ツルさんと龍さんと残った。

 そこで二人に散々弄られたことは簡単に想像出来るでしょ、私はまるで地獄の針山にいるかのようだった。

「虎の告白はどんなの?ってかアイツ、そんなことするの?」

「トラさんの抱き方って想像もつかないわ~。でも大雑把に思えて結構神経質かなと思うから、丁寧~に抱きそうね」

「いやいや、ツル、ちゃんと考えろよ。虎だぞ?あの男が優しくするのは植物だけなんだよ。ヤツは植物フリークだ。でもシカは人間だろ?だからきっとシカは、想像もしない方法で噛み付かれたに違いない」

「で、で、そこんとこどうなの、シカちゃん?」


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