何でもない言の葉
扇風機
風を嫌ってその首を叩いた。
するとそれは悪戯に机から一枚を吹き飛ばす。
落ちる寸前で掬った写真。
そのままゴミ箱にさようなら、のはずがまたひらり。
じろりと睨んで踏みつける。
電源が切れて静かになった。
床に寝転ぶそれを捕らえ、今度は深く袋の中へ。
粗大ごみを出すのは厄介だ。
業者に連絡したのは昨日。
あいつが買った邪魔物は、明日、やっといなくなる。
早くエアコンを買いにいこう。