俺ら参上ッッ!!

*雅哉side*



ドーーーーーン


やけにうるさい音が耳に響く。

あぁ…そういや花火大会に来てたっけな…

俺は会場から少し外れた川の近くに寝転がっていた。


「オレ、何してーんだろな」


自分でもよくわからなかった。
さっき美沙からコクられたけど断った。
女の泣き顔なんて慣れてる。
オレの心は冷めきっていた。


「はぁ…」


プルルル


いきなり誰かから電話がきた。
知らない番号。


「誰だよ…」


一応出てみた。


「はい、もしもし…」

<あ、もしもし雅哉ぁ?
私だけど!!>

「…誰?」


聞き覚えもねー声だな。


<忘れたの!?最低!>

「知らねーっつってんだろ…
今話す気分じゃねんだよ」


ブツッ


強制的に電話を切った。
ついでに電源も切った。


「はぁ…」


見上げた夜空は、無数の星と花火が綺麗だった。
オレは懐かしい記憶がよみがえった。


「あれは…いつだっけな」


いつだか忘れたけど、昔小さい時にひかりと天体観測したのを思い出した。
ひかりの目はキラキラしていて、すごく可愛かったのを覚えてる。


「アイツは忘れちまったかもしれねーが、オレは覚えてるよ…」


そういやオレ…思えば今までひかりのことしか考えてなかった気がする。

中学の時、ひかりがイジメにあっていると聞いた時はひかりに内緒で中学に乗り込んで、犯人のヤツらを殴ってオレは高校退学になった。
いつもひかりが風邪引くと、一番に看病したくて必死だったり。


「……オレ」


今まで何してたんだろ。
いつからかいろんな女を毎日とっかえひっかえして、飲んで遊びまくってひかりや秋斗、龍進に心配かけて…


「バカだオレ…」


今ならまだ引き返せる。
今、オレがすべきことはなにか。


「ただ1つ…ひかりをこれからも守っていくだけだ」


決めた。

オレは携帯をポケットからだして、遊んできた女達のメアドを全部削除した。


「…これでよし。
おし、戻るか!」


待ってろひかり!
世界一いい兄ちゃんになってやるよ!!









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