俺ら参上ッッ!!



「ただいまー」


みんなと別れて、家に帰宅した時だった。


「ひかりーーーー!!!!」

「ひゃっ!?」


リビングから玄関までおもいっきり走ってきて抱きつかれた。
…もちろん雅哉に。


「ちょっ、雅哉!!」

「帰ってくんのおせーよバカやろー!!」


雅哉はちょっと泣き目になっていた。

もう…相変わらず子供みたいなんだから…


「遅くなってごめんね
秋斗と龍進いる??」

「おう!
リビングに集まってるぜ」


久しぶりに帰宅したのを嬉しく思いながら、雅哉と一緒にリビングへ向かった。






-リビング-


「ただいま!」

「おう、おかえりひかり」

「おかえり!!
寂しかったよひかりー!!」


笑顔で迎えてくれる家族がいて、すごく胸が温かくなった。


「ひかり帰ってくるの遅いぞ。
まったく…一週間も男だらけの家に過ごす羽目になった」

「秋斗!何だよその言い方!」


あはは…相変わらずだなぁ

少し悪いと思いつつ、私はソファーに座った。


「楽しかった?」

「うん!
玖白の手料理食べたんだけどね?
もうすっごく美味しくて!」

「そっか…」


龍進はちょっと肩を下げてショボンとした。


「おいひかり…龍進がガックリしてるぞ」

「あ!
も、もちろん龍進のが美味しいに決まってる!!
恋しくなってたもん!」

「ほんと!?」


目をキラキラさせて私に近づいた。

龍進単純!

それに私より子供なとこもある。
でも、そんな龍進も好きだった。


「オレは恋しくなかったのかよー」

「うん、全然」

「う…」


今度は雅哉がガックリ肩を下げてショボンとした。

雅哉は美沙をふったんだからこれくらいの罰は当然!
……でも、ちょっとやりすぎちゃったかな?


「あ!
お土産買ってきたんだ!」

「「「え?」」」


私はさっそくお揃いのネックレスを三人に渡した。


「これ…お揃いか?」


秋斗はネックレスをまじまじと見ていた。


「うおー!
ひかりセンスいいな!」


いつもセンスのいい雅哉にそう言われるのは嬉しいな…


「ひかり!
僕これお守りにして、肌身離さずつけてるね!」


龍進は童心に帰ったように笑う。
そんな笑顔がとても嬉しかった。


「オレもぜってーつけてる!」

「教師だけど、わざと見せるかな…お守りだしな」

「うん、確かにね!」

「私もずっとつけてる!」


四人で笑い合った。
恋一、玖白、美沙との絆も深まったけど、家族の絆も深まった。

みんな…三人のおかげだね。

この夏休みで指輪、ブレスレット、ネックレスと、三つの絆を形にできた。


「これからも…みんなで仲良く頑張ろうね!」

「おう、もちろんだ」

「オレが一番にひかりを守るんだからな!」

「僕は毎日美味しい料理を作るよ!」


不思議と少し涙が込み上げてくる。


「あぁでも…雅哉、仕事辞めたならバイトぐらいしろ」

「え!?
ひかりバイトしてねーじゃんか!」

「ひかりは一番下の女の子だからいいの!」

「ひかりを守るんじゃないのか?」

「う…精進しやす」


相変わらず説教される雅哉だった。

こんな毎日がずっと続きますように。

ネックレスをキュッと握りしめて、そんな願いを込めた。









――これから大変なことが起きると知らずに。









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