俺ら参上ッッ!!

*恋一side*



なんで莉子が…ここにいるんだ。

周りの生徒達が静まり返った。
久しぶりに見た赤い髪の女の子のことをオレは良く知っていた。
オレの頭の中は混乱していて、まだよく状況が掴めない。


「ふーん、ここが恋一のいる学校かぁ
あ。あたし今日からこの学校の生徒だから」

「……は?」


さらに頭が真っ白になる。
少し頭がクラクラした。


「ずいぶん見た目変わったな」


莉子の隣にはもう1人。
赤髪の男が立っていた。


「な、なんで聖まで…」

「なんでぇ?
あたし達双子なんだから一緒に決まってるじゃない」


莉子がそう言うと、玖白以外のみんなが驚いた。


「ねぇ恋一…誰?」


ひかりは握っている手に力を込めてオレに話しかけた。


「あ、コイツらは…」

「あたしは城条 莉子(じょうじょう りこ)。
よろしくね?海野ひかりちゃん♪」


オレの言葉を遮るように、莉子は不適な笑みを浮かべてそう言った。


「隣はあたしの双子の弟、城条 聖(じょうじょう ひじり)」

「よろしく」

「……」


少しひかりは震えていた。

今さら…なんだっていうんだ。


「ねぇ、その手どけなさいよ」

「へ?」


バシンッ


「いたっ!」


莉子はいきなり、ひかりのオレと繋いでいた手を叩いた。
オレは驚いてしまって身動きがとれない。


「おい!
何してんだてめぇ!」


雅哉さんが莉子にかかっていった。
それを聖が止める。


「今ここで乱闘起こしていいんすか?
雅哉先輩」

「なんでオレの名前…」


どうなってるんだ…?
オレは…どうすればいい?


「…おい城条姉弟」


玖白が一歩前に出て話始めた。


「何の理由で俺達に…いや、恋一に近づいてきてるか知らないが、場を乱すのは止めろ」


それは生徒会長としての言葉だった。


「うーん…ま、いっか!
今日は学校見に来ただけだし!」

「だな。
帰ろうぜ、莉子」

「ん!
じゃあね〜恋一、ひかりちゃん♪
…また明日ね」


不適な笑みを浮かべて、莉子と聖は姿を消した。
一気に力が抜けて、目眩が襲ってくる。


「恋一!?
大丈夫!?」


ひかりがオレを呼ぶ声も、だんだん薄れていって……
暗い闇の中に落ちた。











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