俺ら参上ッッ!!
*第三回目*

文化祭準備ッッ!!


*ひかりside*



今日から2週間、文化祭の準備が始まった。
授業は一切しないで、ずっと準備にとりかかる。
私達の高校の文化祭はすごく有名で大きいから、地域の人や他の学校の人達にも有名。


「ひかりー!!
青いペンキ取ってー!!」

「はーい!」


私と美沙は看板のペンキ塗りをしていた。

聖くん…ほんとにいないんだなぁ

聖くんは莉子ちゃんを心配して、莉子ちゃんのクラスを手伝いに行っている。
出し物は私達のクラスでちゃんとやるみたい。


「聖いないと男手が足りなくなるな」


汗を拭きながら玖白が言った。

まぁ確かにそうだよね…
聖くんいればもっと進みそうだし、楽しいんだろうな


「ひかりー、次ピンクのペンキ取ってー!」

「はーい!」


教室の隅にあるピンクのペンキを取りに行った瞬間、立てかけていた乾かし中の看板が倒れてきた。


「ひかり!!」

「ひかりー!!」


こ、怖いっ…!!

玖白と美沙が私のところに走って来てるのが見えたけど、間に合うはずもない。
怖くなってしゃがんでギュッと目を瞑った瞬間。


バンッ!!


すごい音と一緒に視界が暗くなった。
そして懐かしい匂いがする。


「大丈夫、か…ひかり」

「……へ?」


目を開けると、看板を背に恋一が私を抱き抱えていた。


「こう…いち…」

「危なっかしいなー相変わらず…
何も変わってねー」


優しく笑う恋一。

そっか…恋一が私を守ってくれたんだ…
でも、どうしてここにいるんだろ…


「大丈夫!?恋一!」

「今上げてやる!!」


玖白と美沙が看板を寄せてくれた。
それと同時に、恋一は寝転がった。


「はぁー、いってー!!」

「恋一ごめんなさい…ありがとう…」

「いんだよ!
オレはお前を守るために生まれてきたもんなんだから!」


自信満々に笑う。
そんな恋一に胸がキュンとした。


「ほんとに大丈夫なのか?
どこ打った?」

「背中全体だけど、肩甲骨あたり一番打ったかもなー」

「保健室行って湿布貼ってこい。
ひかり、着いてってやれ」

「う、うん…!!」


私は恋一に肩を貸して、ゆっくり保健室へ向かった。


「あー、予想以上にいてぇなー…」


保健室に着いて、近くのイスに恋一を座らせた。


「ほんとにごめんね…」


保健室の先生がいなくて、湿布を取りながら私はもう一度謝る。


「んー、許さねー」

「え!?」


ゆ、許さない!?
でも…そうだよね…


「私の不注意で…ほんとにごめんね…」

「オレが欲しいのはひかりの謝罪じゃねーんだ」


じゃあなんだろう…


「なんでもするから…
許して…??」

「なんでも…?」


上目遣いで私を見る恋一に、不意にドキドキした。
こんなに近いのは久しぶりだったから。
恋一の匂いは私の記憶に染み付いていて、抱き抱えられた時だってすぐわかった。
静かな沈黙が続く。
恋一はほんのり頬を赤くして、何かを考えているみたいだ。

今何を思ってるの…?
何を考えているの…?
答えて…恋一





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