武士道セブンティーン!!



「…………」


何と言うか、困る。

こんな風に優しい言葉かけられるとか、慣れてないからどうしたらいいのか分からない。


あたしなんて、誰かに優しくしてもらうようなもんじゃないのに。



「…………そんなに、あたし、人に心配かけとるかな?」

「………………」


山崎は目を伏せて黙り込んだ。


「…………お前は、心配かけさせまいといつも気ィ張っとるやろ。
神経図太いし、気も強いし、口も悪いが…………」

「おい」

「繊細なとこがない、とは言えんやろ。実質お前は結構、脆いところがある」


ピクリと肩を揺らすあたしに、山崎はちらりと目を向けて、

「役職柄、人間の内側を見抜くのは得意やねん」

と口の端を上げて言った。



「気丈に振るまう割に、何かたまに見え隠れする弱さとか、
人に言えんような、心の底にある黒いもんとか。そういうとこがあるさかいに、お前は周りが放っとけんのや。タチ悪いな」


あたしが暴かれていく感じがする。

今まで何となく自分でも自覚していたあたしの弱さを、初めて他人に見破られた。



「…………そういうとこ?」


分かってるのに。


何でまだ知ろうとするんだろう。



「お前の心の、不安定なところ」





分かりたくなかった、あたし自身の欠点を。






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