武士道セブンティーン!!


「星、綺麗だね」

「あ?……そうかいな」

「山崎 女にモテないでしょ」

「さんを付けろや」


隣からイラついた声が聞こえたが、無視をした。


「今見てる空の星ってさ、本当は何百年も昔の光なんだってさ。知ってる?」

「へぇ」

「ここまで光が届くのに時間がかかるからなんだと。
本当だったらあの星も、あの星も、もう無いかもしれない」

「……」

あたしの言葉に、ふいと山崎も空を見上げた。


「……ふぅん。じゃあれは、今を生きてる訳やないんやな」

「山崎さん、詩人ー」

「からかうなや」


山崎が照れたような仏頂面であたしを睨む。


“今を生きてる訳ではない” か…………。



「あたしも、今を生きてはいないのかもね」

あたしは、止まったままだ。



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