二重人格神様~金と碧の王~


「最終的に彼の伴侶が戦争を終わらせた。剣は始祖により冥界に封印された。そして、この剣は私が持っている。もてないと思っていたけれど、この手にある。人間に血が吸いたくて仕方がないみたい」

返す言葉は出てこなかった。どうすればいいのだろう。


彼女は、本気なんだって思った。こんな説明をするのも私より優位にたっていると、言いたいのだろう。


黙り込むわたしを睨んだまま、ルーテルさんはさらに言い放つ。


「あなたを殺めるために、盗んできたの。貴女を殺めて、私も同じ…もし、生まれ変わる事が出来たのなら…その時は、仲良くしましょ」


そう言い放ち、剣を大きく振りかぶる。反射的に力強く目をつぶった時だった。

「ルーテル、やめろ」


「…っ」


とても低く、威圧的な声が廊下に響く。聞いたことのある声に顔を上げると、ライに抑えられたままルーテルさんを睨むグレンさんがいた。


その瞳は金色で、入れ違ったとすぐにわかった。


「ぐ、グレン…さん?」


名前を呼べばルーテルさんは唇をかみ締め、矛先を下に下ろす。


「グレン…様」


「ライ、手を離せ」


「え…あ…それはっ」


二度目の言葉はなかった。金色の鋭い瞳に見つめられ、ライはうつむき腕を離す。その行為が気に入らないかのように彼女はライを睨む。

< 383 / 513 >

この作品をシェア

pagetop