御曹司の秘書さんのため息◆

始さんは、うれしそうに　にやりと口元を上げた。

うん。
だから、その表情が、あの上司である昴様にそっくりなんだって。

そう、
それはきっとまた余計なことを考えている。



「じゃぁ、秘密の攻防戦はしない。
　真っ向勝負で、レイナちゃんを君に激突させるよ！！」

ほら、
また余計なことを・・・


はぁ。

と、ちいさくため息を漏らす。


「…激突って・・・ぶつける気　満々ですね。
　というか、秘密の攻防戦って…結局、私で遊ぶ気ですね？」

「ーーー失礼だな。市川、武。
　僕は、君をつかって、昴と遊ぶ気なんだよ。」


「・・・・・・・・・・・はぁぁ。
　ものすっごい、迷惑です。」


思いっきり、ため息を吐いた。


振り回すのも、いい加減にしてくれ。

その様子を見た始さんはまた
楽しそうに　にやり　と笑った。