御曹司の秘書さんのため息◆
ソレを見て、
昴はまた楽しそうに笑って
「ちいせぇな。
細かいことは気にすんなよ、武。
早く乗れよ!」
「・・・・はぁ。」
「あ。それとも助手席がいいのか?」
「・・・。後ろでお願いします。」
軽い調子で冗談を言う昴を
一瞥して、
後ろの車のドアに手をかけた。
まったく、この上司はーー
なんなんだいったい。
ため息交じりにつぶやいてから、
後部座席に座った。
座席が軽く沈んで
座り心地の良さを感じる。