恐怖短編集
「何してるの!」


飛んでくる母親。


私は母親が自分に迫ってくるのを、まるでスローモーションのように見つめていた。


走ってきて私の体にしがみつく母親。


それを受け止め、強く抱きしめる私。


そして、母親の胸に突き刺さった包丁。


大きく目を見開く母親がこちらをみていて、私は軽く微笑んだ。


母親の体を床に置くと、私もその隣に座り込む。


ゆっくりと母親の頭を撫でてやりながら、私たちは目を閉じた……。


END
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