恐怖短編集
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


電車を待つ私の気分は重い。


その反面、繰り返されるチカンに、そろそろ慣れはじめてしまっている自分がいる。


チカンに慣れるなんて、あり得ないことだ。どれだけ同じ経験をしていても、その度に同じように傷つくのが普通だと思う。


小さなため息と共に、携帯の電源をOFFにする。


ラッシュ時の電車で、携帯の音がどれだけ不快なものか身をもって知っていたから、自分だけはそんな人間になるまいと決めていた。


「……うん?」


違和感から首をかしげ、携帯画面を見つめる。


OFFにしたはずなのに、暗い画面に何かが移りこんで見える。もちろん、覗き見防止のシールなんかじゃない。


よく見えなくて、携帯を微妙に傾けてみる。
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