*嘘月とオオカミ先輩*



――諦めてるように見える――



頭に甦る琥太郎の言葉を振り払う。


そんなことはない。

オレは、ちゃんと彼女を好きだからこそ傷ついて――



「なぁ、オレのこと……どう思ってる?」



唐突の問いかけに、沈黙を守っていた彼女の声が弾んだ。



『えーなぁに急に。……もちろん好きだよ。彼氏だもん』

「……うん」



オレも――

好きだからこそ……許してきた。


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