*嘘月とオオカミ先輩*



絡まった指に心臓が鼓動する。



「せ、先輩、ちょっと待ってください」

「無理」

「コウキに電話しないと。心配してるかも」



言った瞬間、先輩がものすごい勢いで振り向いた。



「そのコウキってやつと、ホントに付き合ってんの?」



目じりがピクピク動いてる。

感情を必死に抑えてる表情だと思った。



もしかして、ヤキモチ?



めずらしい事態に思わず笑いがこみ上げる。

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