*嘘月とオオカミ先輩*

 

いつもの運動公園。
 
テニスコートの周囲を覆っていた木々も徐々に葉の色を染めて季節の移ろいに彩りを添えている。



「今日は学年混合で試合しようか」
 


リーダーの一言で、サークル内はいつも以上に活気立った。
 
あたしたちのサークルに割り当てられた三面分のテニスコートに、学年関係なく各々散らばるメンバーたち。
 



あたしはサクヤ先輩から不自然なくらいに距離を取った。
 


バレてはいけないと思うほど、先輩を物理的に遠ざける。 


< 311 / 382 >

この作品をシェア

pagetop