*嘘月とオオカミ先輩*
輪の中心で物怖じせずに発言できる強さ。
自分の感情を抑えて相手を受け入れる強さ。
「あたしなんて全然だめです。ナナミさんのこととか、凄く心配だったし、嫉妬とかしちゃって――」
不意に繋いだ手を解かれた。
消えたぬくもりに不安を覚えて隣を見ると、先輩は見たこともないような表情を浮かべていた。
苦しげに眉間によった皺。
固く結ばれた口元。
「オレが、嫉妬してない、とでも?」
「え――?」
不意に腕を引っ張られ、先輩の腕に抱きしめられた。