*嘘月とオオカミ先輩*
呼びかけられて振り向くと、友坂が怪訝そうにこっちを見ていた。
友坂だけじゃなく、その場にいる1年がみんな不思議そうに俺に目を向けている。
「あ、いや……」
あわてて月島の肩から手をどけた。
そんなオレをからかうように友坂が笑う。
「はいはいサクヤくん、女の子がカワイイのもわかるけど、男女平等でよろしくー」
金色の短髪が似合いすぎる友坂にそう言われ、場が一瞬で華やいだ。
月島を除いた全員がクスクス笑い、各々散っていく。