*ミーくんの好きなひと*


「……ミーくん、展望台、行きたい」
 

つぶやくと、二重の目が細まった。


「展望台?」 
 

その視線から逃げるように顔を伏せて、大きな右手をぎゅっと握りしめる。
 


指がすらりと長くて、きれいな手。
 
大好きな、ミーくんの手。



「わかった。行こう」
 


いつもの優しい笑みなのに、



「……うん」
 


心が晴れないのは、何故?



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