【短】俺にしろよ



その女も、それ以上は


何も言わなかったし、追いかけてくることも


なかった。


教室に入り、自分の席につくと


「朝から、告白なんてモテる男は辛いな」



「世弥(セイヤ)…………うるせーよ」



「ご機嫌ななめだな」



世弥とは、高1からの付き合いで


入学式の時席が隣だったことが


仲良くなったきっかけだった。




「誰か知らねぇやつに告白されても

嬉しくねぇよ………」



「まぁなー、お前が好きなのは夏生ちゃん

だけだもんな〜」




なんて、言う世弥を睨む。



ま、世弥には効かねーけど。



< 25 / 86 >

この作品をシェア

pagetop