朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~


どのくらい、処置室の前で座っていただろう。

ふいにドアが開いて、出てきた看護士さんに、あら!と声をかけられた。



「早く御手洗い行って、手と顔を洗ってらっしゃい!彼はキレイになったわよ!」



手と、顔?

忙しそうに、あと少しで彼に会えるから、早く洗ってらっしゃいね!と言いながら、足早に行ってしまった看護士さんに。

哲の指は、ほんとうにくっついたのかも知れない、と。


肘のあたりから、じわじわと熱っぽい安堵が、上ってきた。



顔、洗ってこよう。
そんなに、真っ黒なのかな。


わずかに浮上したような気持ちで。

仕事中だったのだから、真っ黒なのは仕方ないけど、トイレで顔洗うのかあ、などと。

嫌がる余裕も、出てきた。



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